Midnight-01

「シャーロック…まだ起きてる?」
「ジョンどうした、こんな夜中に。」
「眠れないんだ…」
「珍しい。何かあったのか?」
「…別に何も…。」
「…君は嘘が下手だ。」
「なっ…。自分はどうなんだよ、毎晩まともに寝ないくせに。」
「僕は眠れないんじゃない。眠くならないだけだ。」
「分かったよ! どうせ僕は…っ」
「…どうした、ジョン。…泣いてるのか?」
「放っとけってば…っ! 君にだって…泣きたくなる夜ぐらい…あっただろ?」
「ないね、一度も。」
「…即答か。君も嘘が下手だな、シャーロック。」
「…何で泣きながら笑ってるんだ? ジョン。」
「…シャーロック、ありがとう…」
「何がだ。僕は何もしてないぞ。」
「…そこにいてくれて、話を聞いてくれてるだろ?」
「僕の部屋だ。夜中だし、他にどこにいろっていうんだ?」
「…」
「…ジョン?」
「…」
「まったく何が眠れないだ、天下太平って寝顔だぞ!」

泣きたくなる夜ぐらいあっただろ?シャーロック…
そうだな、ジョン。
君になら、いつか話せる日が来るかも知れないな…。


【終わり】